〜 ナ行 〜

　二年Ａ組 身長一六〇センチ
　主人公格以外では唯一の皆勤賞。さすがは話の盛り上げ役ってとこか。
　何時の間にかホームルーム中の教室に侵入して浩之の机の横にいたり、チャイルディッシュ・アン・アワーの「伝説のプラチナペーパー」を２枚しか手に入れてこなかったり）、浩之が格闘技の練習をしに学校裏の神社に通っているのを嗅ぎつけたり、体育祭の時にあかりや浩之らの席で自分のクラスの応援（ひそかに浩之もか？）をしてたり、風邪を引いてるくせに執拗に浩之とあかりが二人っ切りで勉強会をしてる所に電話かけてきたりと、「用のないときはなぜか現われる」。

　志保ちゃんデータベースや志保ちゃん情報は坂下や来栖川綾香といった有名どころはもちろん、「地味目な子」・二年Ｅ組の雛山理緒までも把握済み。とは言っても「この学校の生徒のことはみ〜んな志保ちゃんデータベースに入ってんだからぁ〜」と言う割りには琴音ちゃんのことは「秘密」があるってこと以外は調査中だし、マルチにいたっては実際に会った浩之の方が詳しかったりする。

　浩之らとの出会いは中学一年の時の文化祭の打ち上げで、その時同じクラスだったあかりの紹介からだった（但し、浩之とは文化祭のおばけ屋敷でご対面）。
　打ち上げの開かれた、今はライブハウスになっている喫茶店の前に立った時、志保は昔を思い出し、次第に浩之への気持ちとあかりとの関係に苦しむようになる。そして……。

　浩之らをカラオケに誘うし、体育祭の時には「カラオケ歌合戦とか清純派美少女コンテストとかあれば志保ちゃんパワーでトップ独走なのに」と言い出すし、しまいには文化祭で「体育館のメインイベント」絶叫カラオケ大会を、クリスマスパーティーでステージにカラオケを準備するといったように、とにかく無類のカラオケ好き。自称カラオケクイーン。

　原作であるＰＣ・ＰＳ版での志保のテーマ曲は『マイ・フレンド』。ＣＯＯＬ−ＷＥＩＧＨのセッションアルバムＣＤ『ＨＥＡＲＴ ＳＥＳＳＩＯＮ』にも入ってます。
　ビデオ・ＬＤ・ＤＶＤの最終巻である第七章には、あかりの頭を抱えた冬服コートを着た志保が描かれてます。だってこの巻の中心はこの二人だもんね。

　リーフ作品にほとんど登場している『長瀬一族』。

『　雫　〜しずく〜　』　
【長瀬祐介】『雫』の主人公である高校生。
【長瀬源一郎】祐介の父の弟で、祐介の通う高校の現代国語教師。３８歳。

『　痕　〜きずあと〜　』
【長瀬源三郎】県警警部。県下の温泉地・隆山の鶴来屋グループ会長代理の事故死に不審を抱き、部下の柳川警部補を連れて捜査している。４０歳。源一郎とは兄弟。

『ＷＨＩＴＥ　ＡＬＢＵＭ』
【フランク長瀬】喫茶店『エコーズ』のマスター。親戚に家庭用メイドロボを実用化させた従弟がおり、本人もかつてはロボット工学に従事していたと言う。血縁に高校教師や警察官がいるという(笑)。
【七瀬　彰】主人公・藤井冬弥の親友であるミステリー・マニアの大学生。フランクは叔父で、冬弥とともに『エコーズ』でアルバイトしている。

『まじかる☆アンティーク』
【長瀬源之助】一応、日本を代表する骨董鑑定人で、ＴＶ番組『どれでも鑑定班』にも出演中。年齢５０歳以上。愛妻家。骨董品の破損を直す神業的な、「魔法のような」技をもつ。

　まるで隔世遺伝でもしてるかのように、顔つきが大きく二つに分かれてます。

『トゥハート』では『セバスチャン』こと長瀬源四郎とその息子・長瀬源五郎が出てますけど、他の『一族』との繋がりがよりハッキリしているのは、源五郎がフランク長瀬の従兄だという事のみです。

『長瀬一族』には祐介・七瀬 彰を除く全員にテーマ曲があります。旋律はまったく同じ(笑)。『フランク長瀬』はジャズ風、『長瀬源之助』は和風といったアレンジが効いてます。

　来栖川エレクトロニクス第七研究室ＨＭ課の開発主任、つまりはマルチとセリオの生みの親。……といったことはセバスチャンの息子であるという話と同様、一言も語られないけど暗黙の了解。

　ハトに餌をやる日々を過ごしているが、その実、作り出したマルチのことについて、その方向性が本当に正しかったのか悩んでいた。
　だから、マルチから聞き出したのであろうマルチと仲のよかったあかりと浩之に接触して、「落ち葉」のことや「人間とハト」のことを色々と尋ねたりしたんだろう。そして浩之の訴え掛けるような一言。それによって源五郎はひとつの確信を得た。だからマルチを落第させたのだ。

　アニメーション版・ＰＳ版のオープニング曲『Ｆｅｅｌｉｎｇ Ｈｅａｒｔ』、ＰＳ版のエンディング曲『それぞれの未来（あした）へ』を歌うヴォーカリスト。
　ＴｏＨｅａｒｔライブパーティーやカウントダウン・ライブのイベントでは他に『Ｂｒａｎｄ Ｎｅｗ Ｈｅａｒｔ』『新しい予感』『ホワイトアルバム』を歌ってます。
　一九九九年八月二十七日に、セカンド・シングル『Forever』を発売。これは日本テレビの「爆笑大問題」のエンディング曲。カップリング曲は『二番目の本心』。
　また、二０００年二月四日にアルバム『雨』もリリース。ニューアレンジの『Feeling Heart』やアコースティックアレンジの『それぞれの未来（あした）へ』などが収録されてます。

　中司さんは中学時代より作詞作曲を始めていて、大学在学中にはオムニバスアルバムに参加。卒業後はCMソングやゲーム音楽、ラジオDJと幅広く活躍しているそうです。
　アルバム『雨』発売直前にはオリコン誌や雑誌『CD HITS！ ２０００年２月号』にインタビュー記事が掲載されてました(その『CD HITS！』にはアルバム発売の広告も載ってました)。
(志保ちゃんデータベースサウンドトラックデータのページへ)

　幼稚園の頃から一緒のあかり・浩之・雅史と志保の四人のこと。
　志保は中学一年の文化祭の打ち上げの時に知り合ってからこの三人に加わり、いつもつるむ（引きずり回す）ようになった。

　芹香先輩のなでなでは、ちゃんと浩之が来てくれたことへの感謝と、来るのが遅くなったことを詫びる浩之を慰めるため。先輩ってまるで無限の包容力があるみたい。

　浩之がマルチにしてあげるなでなでは、芹香先輩のような受け身的なものではなく、マルチが廊下の掃除を頑張ったことを誉めてあげたり、ワンピースのプレゼントに対して「皆さんの期待を裏切ってばかりなのに」と泣きそうになったマルチを「そんなことないぜ」って感じで慰めてあげたりといった風。

　これって結構対照的。

　それは「売り心に買い心」だからだろ？ 　あんだけ会う人ごとに誉めてりゃ、「次何出るの？」「応援するから」ってコトになるに決まってる。

「日曜だからっていつまでも寝てんじゃないわよ〔志保〕」
「日曜だからこそ心置きなく寝てんだろーが!!〔浩之〕」
　そんな感じでクリスマスパーティーのための買い出しデートが始まったのであった(笑)｡

　明け方近くまで録り溜めしてたビデオを見てから寝たもんだから、あかりの目覚ましにも気付かず（それとも寝呆けたまま一度起きてたのか）寝ていたんだろう。
　そんなんだから志保に「ダメダメ人間」って呼ばれるんだよ。

　掃除に熱中した余り、エネルギーを切らして倒れてしまったマルチ。
　すぐにあかりと一緒に駆けつけた浩之は図書館へ運ぶ。
　そこで充電中のマルチを見つめながら、やっぱりロボットなんだよなって実感してしまった。

「人間とハトとの違い」を浩之に尋ねてきた長瀬源五郎が、質問をかえてさらに尋ねてきたこと。
　源五郎自身、最初は「機械は人間の作ったもの。だけど人間はそうじゃないと」思っていたが、さらに深く考えたんだろう、「偶然と環境、そして自然淘汰」によって「生き物だって作られたものなんだねぇ」という結論に行き着いていた。
　だが、それすらまだ確信に達してなかった。だから浩之に
「君はどう思います？　人間と機械の違いについて」
と尋ねたんだろう。

　自虐的に
「所詮、機械はものを考えられない、与えられたプログラムをこなすだけ、どんなに精巧に作られた機械でも決して人間には成れない」
　そう独り言のように源五郎は話すが、浩之の
「ロボットだろうがハトだろうが、一緒に泣いて笑って喜びあえること、それが出来る仲間ならオレはそれでいいとおもうぜ」
という言葉を背中で受けたとき、源五郎はひとつの結論に達成した。
　それが、そのあとに浩之の学校に通うこととなった新しいメイドロボだったのである。

「君は人間とハトとの違いって一体なんだと思う？」
「それじゃあ逆に、人間とハトが似ているところはどこだろうねぇ？」

　浩之にいきなり難問を吹き掛ける長瀬源五郎。
　源五郎は
「それは両方とも同じ生き物ということだ。つまり、ハトと人間との違いなんてものは、ほんの少し見方を替えるだけで近くなったり遠くなったりもするものさ」
とひとり納得するように語る。
　そして源五郎はまた浩之に尋ねる。
「君はどう思います？　人間と機械の違いについて」と。

　切ない終わり方をした前話『夢見る笑顔』に引き続いてのマルチの話。

　テスト期間が終わったら新しいデータを入れ替える。
　そうマルチに聞かされた浩之とあかりは、マルチに少しでも楽しんでもらったり経験してもらおうと、料理を教えたり遊園地やデパートに連れて行ってあげる。
　でも、最後の日は来てしまった。
　卒業証書を渡して四人でマルチを見送ることしかできなかった浩之は、また無気力な日々を過ごす。また、新しいメイドロボが来る。そんな志保ちゃん情報にも、また友達になりたいって言うあかりを他所に、もうマルチはいないんだと浩之は実感する。
　廊下で、ただ何となくマルチのことを話していた、その時……

　この話の仮タイトルは『マルチ編･後編』(仮題)。です。

　席替えのクジ引き。浩之と雅史は結構後順でクジを引いていた。そんなときに雅史が言ったセリフ。
　言われた浩之の引いた席は、前の席の隣。「あんまり変わらないねぇ」って言う雅史に、浩之は「ま、こんなもんだろ」って応えてた。
　実際にその福を授かったのはあかりでした。

　図書館に置かれているマルチのエネルギー充電用のパソコン。
　デイスプレイにはウサギの絵と「ただいま充電中」が表示されている。