≪ 志保ちゃんデータベース ≫
～知られざる「アクアプラス」の世界～

「アクアプラス」「リーフ」について、知っている方も多いとは思いますが、ここで知り得るかぎりの情報を駆使して記すことにします。
　事実と違う部分があるかもしれません。その点については後々に訂正します。

　まず、「リーフ」は一九九四年十月に兵庫県伊丹市で設立されたゲームを企画・制作する所です。
　現在、本社のある伊丹市(２０００年夏に大阪市に移転しました)と東京・池袋の二ヵ所に開発室があり、九八年一月二十六日開設の東京開発室では『こみっくパーティ ー』『猪名川でいこう!!』が、伊丹開発室では『To Heart(ＰＣ版)』などそれ以外の作品が制作されています。

※ 　ロゴマークは設立当初は《はっぱとテントウムシ》マークでしたが第四作目の『痕 ～きずあと～』以降、現在の《はっぱ》マークになってます。
「リーフ」の名前とこのマークから、リーフ作品関連を｢はっぱ系｣と呼んだりします(『雫』の影響から｢電波系｣ とも呼ばれているけど)。

　株式会社「アクアプラス」はと言うと、｢販売｣を主としていた会社。つまり「リーフ」の作り出したモノを外へ提供する所です。
　前身は一九九四年十月設立の「有限会社ユーオフィス」です。
※「ユーオフィス」ブランドで九五年十一月に一般ＲＰＧのＰＣソフト『LEGAM』が出されています(廃盤)。
　ちなみにＰＳ版『トゥハート』でのマルチのエアホッケーゲーム・イベントシーンでは奥の壁に『Legam』ポスターが貼ってあります。

『雫 ～しずく～』(九六年)が発売される直前に「株式会社アクア」としましたが、ＰＣ版『To Heart』の最初の広告(ゲーム・タイトルのない、初期設定イラストの並ぶ広告)まで、この社名は表立っていませんでした。

　この「アクア」が「アクアプラス」になるまで色々とあったみたいです。
　というのも、会社登記する際、《「アクア」という社名が大阪に存在した》という問題が明らかになったからです。
「アクアプラス」という名前は、九七年十一月二十八日発売の『初音のないしょ!!』のパッケージの《販売 株式会社アクアプラス》が確認できた古い記載です。
　また雑誌『メガストア九八年三月号』の連載の『ＮＥＯ美少女ゲームの担い手たち 下川直哉～前編～』では下川専務の肩書きが「㈱アクアプラス専務取締役」となっています。

　では、九七年に変更したのかというと｢否｣です。九八年五月一日発売の『ホワイトアルバム』の広告やパッケージに《㈱アクア》と記されていたり、九八年初夏頃の『週刊ファミ通』でのＰＳ版『トゥハート』の緊急速報記事に｢アクア(雑誌編集部側の表記)｣｢アクアプラス(開発状況を伝える田中さんの肩書き)｣とあったりという具合で定まっていなかったのです。
　高雄右京氏のマンガ版と伊達将範氏の小説版(九八年九月十日)を確認してみたところ、小説版では「ＡＱＵＡ」となってましたが、マンガ版連載の九九年『電撃大王12月号』(十一月十八日発売)以降から「ＡＱＵＡＰＬＵＳ」となってました。
　なお、『電撃姫vol.4』(九八年八月一日発行)の記事『オール・アバウトLeaf』では『リーフファンクラブ』の入会振込先が「株式会社アクアプラス」に、九九年夏に発売された『To Heart アンソロジー＋α』のインタビュー末尾には《1998.7.22 アクアプラス》とあります。

　少なくとも九八年の九月～十一月の間に問題が完全解決して『アクアプラス』に定まったみたいです(ロゴマークは一回変更して今の形になっています)。
◎　九八年十二月三十日の『To Heart ライブパーティー』のチケットとチケット購入権の抽選券(シングルＣＤ『ホワイトアルバム』初回特典の澤倉美咲さんクリスマスカード)
◎　九八年十二月のコミックマーケット55のブース名《｢リーフ／アクアプラス｣ 》
と名前が二つ併記されましたが、年明け以降の雑誌記事及びＰＳ版『トゥハート』発売の広告(衝撃の『高校教師』の｢京本正樹｣広告)では『(株式会社)アクアプラス』と一本化されました。
※ 　高橋龍也氏は
「『会社的にはアクアだよ』と思ってたんですけど、いつの間にか『アクアプラス』で定着しちゃいましたね」
と『トゥハート公式ガイドブック』(アスペクト)の開発者座談会で言ってます。
単に気分的な問題で名前がふたつ表立ってただけかも(笑)。

　ＰＳ版『トゥハート』が「アクアプラス」発売となったのは、コンシューマ業界では｢ブランド名｣の慣習がないから？ 制作は完全に｢リーフ伊丹開発室｣なのにね。
　ただしアニメーション版では、原作であるＰＳ版での表記に準じたというよりも、会社として企画・監修に加わるという意志(『トゥハート解説本』執筆参加者のトロピカーナ☆しみずさんは「金はいらんから口出しさせろ」とリーフが言ったという噂を耳にしたそうな)を身体で示すために、一般的な「リーフ」ではなく株式会社「アクアプラス」にしたのでしょう。
※ 　ここや事典などで触れているＰＣソフト『雫～しずく～』『痕～きずあと～』『さおりんといっしょ!!』『To Heart(ＰＣ版)』『初音のないしょ!!』『ホワイトアルバム』『こみっくパーティー』『猪名川でいこう!!(初期の伝説的ＲＰＧ『フィルスノーン』が移植収録)』『まじかる☆アンティーク』はいずれも18禁のソフトです。
『雫』以前の廃盤作品以外は、新パッケージ版も出るなど供給が途絶えることはないみたいなので、十八歳未満の方はその年令になるまで我慢しよう(偽善者!!)。

　なお、『トゥハート(ＰＳ版)』は年令制限なし!!　もう少し待てばドリームキャスト版の『こみっくパーティー』が『アクアプラス(東京)』から出るヨ。 　レッツ買ってプレイしてね。